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第12回 【小関順二のドラフト指名予想】北海道日本ハムファイターズ「最もドラフト上手な日ハム 今年は高校生主体か?」2016年10月19日
【目次】
[1] 12球団中、最も関心できるのが日本ハムの指名 その理由とは
[2] 今年もナンバーワンに向かう姿勢は貫いてほしい
北海道日本ハムファイターズ 今季戦績
143試合 87勝53敗3分 勝率.621 パ・リーグ1位
12球団中、最も関心できるのが日本ハムの指名 その理由とは

大谷 翔平(北海道日本ハムファイターズ)
■課題
12球団中、最も感心するのが日本ハムの指名だ。予算の大枠があるため一流選手ほど他球団にFA移籍し、超一流になるとポスティングシステムでメジャーリーグに移籍するのが当たり前になっている。
FAで他球団に移籍したのは河野 博文(95年巨人)、片岡 篤史(01年阪神)、岡島 秀樹(06年レッドソックス)、小笠原 道大(06年巨人)、藤井 秀悟(09年巨人)、森本 稀哲(10年横浜)、建山 義紀(10年レンジャース)、鶴岡 慎也(13年ソフトバンク)、大引 啓次(14年ヤクルト)、小谷野 栄一(14年オリックス)、田中 賢介(12年MLBジャイアンツ)と多く、さらにポスティングシステムによるメジャー移籍はダルビッシュ 有(11年レンジャーズ)がいて、じきに大谷 翔平も続くだろう。
06年は岡島、小笠原の移籍だけでなく新庄 剛志が引退して實松 一成が巨人に移籍している。これだけ主力が抜けてもリーグ優勝しているのが本当に凄い(前年は日本一)。
一流選手ほどその後釜を常に用意しているというのは日本ハムの宿命だろう。FAは獲る側にならず選手補強のほとんどはドラフトによる。当然、ファームの育成力はスカウティングと並んで重要だ。
巨人や阪神と違いじっくり腰を据えて若手を育成する余裕がなく、見切り発車的に70%くらいの完成度でも一軍に送り込み、一軍の指導者は若手の抜擢に躊躇がない。一流選手が長く在籍する巨人やソフトバンクは成熟したプレーをファンに見せられても、日本ハムは成熟したプレーでファンを魅了させることができない。若手をどんどん送り出すのでイキのいいプレーを楽しんでください、というのがフロントトップの偽らざる思いだろう。
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- 小関 順二
- 出身地:神奈川県横須賀市生まれ。
- ■ プロ野球のドラフト(新人補強)戦略の重要性に初めて着目し、野球メディアに「ドラフト」というカテゴリーを確立した。ストップウオッチを使った打者走者の各塁走塁、捕手の二塁スローイングなど各種タイムを紹介したのも初めてで、現在は当たり前のように各種メディアで「1.8秒台の強肩捕手」、「一塁到達3.9秒台の俊足」という表現が使われている。
- ■ 主な著書に『プロ野球問題だらけの12球団』(年度版・草思社)、『プロ野球スカウティング・レポート』(年度版・廣済堂あかつき)、『ドラフト物語』(廣済堂あかつき)、『野球力』(講談社+α新書)、『プロ野球サムライたち』(文春新書)などがある。
- ベースボールファン(有料コラム)では、「野球を歩く」を寄稿、野球ファン必見の野球歴史コラムを配信している。
- ■ 小関順二公式ブログ

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