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第9回 【小関順二のドラフト指名予想】読売ジャイアンツ「華のある選手を指名するべき」2016年10月19日
【目次】
[1] 巨人はもっと華のある選手を指名することにこだわってほしい
[2] 良い選手は競合覚悟でも取りに行く戦略が必要だ
華のある選手を指名するべき
しかし9年間で1位競合5回は少なすぎる。ドラフトでチームを作っている日本ハムは抽選を12回も行っている。そのうちくじ運が味方したのは4回。成功率.333は確かにくじ運が強いが、それより向かった数だけ野球の神様が微笑んだのだと思う。
巨人が先鞭をつけた育成ドラフトはどうだろう。指名で目立つのは独立リーグの選手の多さだ。05年以降14人を数え、特に昨年は8人中7人が独立リーグの選手だった。球界の盟主、巨人だから独立リーグの受け皿にならなければならないという使命感と、支配下選手の故障などでファームは慢性的な選手不足に見舞われている。それを補うためにファームの即戦力である独立リーグの選手を多く獲る、という現実面の問題があると思う。しかし、いい選手だから獲りに行くというシンプルな動機がもっとあっていい。最近の巨人のドラフトは考えすぎだと思う。
■どんな選手を1位で指名するべきなのか

佐々木 千隼(桜美林大)
マスコミは安定感のある本格派、佐々木 千隼(桜美林大)の1位入札を予想している。それに異論はない。今年の大学球界で最も安定感があり、他校を圧倒しているのは佐々木である。
ここでくじ運の悪さが頭をよぎる。佐々木には阪神の入札も予想され、他球団も加わってくる可能性がある。そこで抽選負けしたときどこに向かっていくのか、外れ1位の問題が出てくる。西武編でも書いたが、93年以降の外れ1位を見ると、坂本 勇人(巨人)、山田 哲人(ヤクルト)という高校生の金の卵が放って置かれていることが多い。今年の候補の中では九鬼 隆平(秀岳館・捕手)、細川 成也(明秀日立・外野手)がその可能性を秘めていると思う。
(文・小関 順二)

- 小関 順二
- 出身地:神奈川県横須賀市生まれ。
- ■ プロ野球のドラフト(新人補強)戦略の重要性に初めて着目し、野球メディアに「ドラフト」というカテゴリーを確立した。ストップウオッチを使った打者走者の各塁走塁、捕手の二塁スローイングなど各種タイムを紹介したのも初めてで、現在は当たり前のように各種メディアで「1.8秒台の強肩捕手」、「一塁到達3.9秒台の俊足」という表現が使われている。
- ■ 主な著書に『プロ野球問題だらけの12球団』(年度版・草思社)、『プロ野球スカウティング・レポート』(年度版・廣済堂あかつき)、『ドラフト物語』(廣済堂あかつき)、『野球力』(講談社+α新書)、『プロ野球サムライたち』(文春新書)などがある。
- ベースボールファン(有料コラム)では、「野球を歩く」を寄稿、野球ファン必見の野球歴史コラムを配信している。
- ■ 小関順二公式ブログ

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