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- 【小関順二のドラフト指名予想】阪神タイガース編 「若手が育つ球団になるには今季もスケール重視でいくべき!」
第5回 【小関順二のドラフト指名予想】阪神タイガース編 「若手が育つ球団になるには今季もスケール重視でいくべき!」2016年10月15日
【目次】
[1] 超変革の流れを止めるな!
[2] 田中正義の競合に逃げないこと
田中正義の競合に逃げないこと

京田 陽太(日本大学)
ドラフト経由の生え抜きがこれほど活躍しなくても成績上位を維持してきたのは、FAやトレードで他球団の選手を多く獲得してきたからだ。今在籍している移籍組は髙橋 聡文、新井 良太、西岡 剛、今成 亮太、福留 孝介の5人だが、真弓 明信監督時代の2011年には主力の久保 康友、小林 宏、下柳 剛、スタンリッジ、加藤 康介、城島 健司、藤井 彰人、平野 恵一、新井 貴浩、新井 良太、ブラゼル、金本 知憲が他球団からの移籍選手だった。
それほど大量にFA選手を入団させても過去14年間の優勝は星野監督時代の2003年、岡田 彰布監督時代の2005年だけで、この11年間は遠ざかっている。それではいかんということで好素材をドラフトで獲って、ファームで育成してというプランが生まれたわけだが、今オフは外野手の陽 岱鋼(日本ハム)、糸井 嘉男(オリックス)、平田 良介(中日)、大島 洋平(中日)、投手の岸 孝之(西武)などの大物がFA戦線に名乗りを挙げたため、阪神の「欲しい、欲しい病」が再燃してしまったと。「超変革!」1年目の4位低迷で事情が180度変わった阪神。腰を落ち着けてチーム作りをする環境は訪れるのだろうか。
■どんな選手を1位で指名するべきなのか
ドラフトで好素材を獲得してファームで育成するという日本ハム型のチームを目指すなら、実力ナンバーワンの田中 正義(創価大)から逃げないことである。同学年の藤浪と田中がローテーションの柱となってシーズンを乗り切る、これほど魅力のあるプランは今のところ考えられない。さらに、ナンバーワン選手に立ち向かうことによって「ドラフトでチームを作る」という覚悟をチームの内外に示すことができる。一部で囁かれている佐々木 千隼(桜美林大・投手)の1位入札より波及効果は大きいと思う。
2位で残っていれば、遊撃手の京田 陽太(日本大)、吉川 尚輝(中京学院大中京)も指名したい。鳥谷の衰えが予想より早く訪れた現在、“鳥谷の後釜”は喫緊の課題である。果たして2位で残っているか。2位の指名順位は6番目なので、ヤクルト、西武の動きが不気味である。
(文・小関 順二)

- 小関 順二
- 出身地:神奈川県横須賀市生まれ。
- ■ プロ野球のドラフト(新人補強)戦略の重要性に初めて着目し、野球メディアに「ドラフト」というカテゴリーを確立した。ストップウオッチを使った打者走者の各塁走塁、捕手の二塁スローイングなど各種タイムを紹介したのも初めてで、現在は当たり前のように各種メディアで「1.8秒台の強肩捕手」、「一塁到達3.9秒台の俊足」という表現が使われている。
- ■ 主な著書に『プロ野球問題だらけの12球団』(年度版・草思社)、『プロ野球スカウティング・レポート』(年度版・廣済堂あかつき)、『ドラフト物語』(廣済堂あかつき)、『野球力』(講談社+α新書)、『プロ野球サムライたち』(文春新書)などがある。
- ベースボールファン(有料コラム)では、「野球を歩く」を寄稿、野球ファン必見の野球歴史コラムを配信している。
- ■ 小関順二公式ブログ

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