第6回 【小関順二のドラフト指名予想】埼玉西武ライオンズ編2015年10月11日

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【目次】
[1] 西武がオコエをスーパースターに育てられる理由
[2] 高卒投手を1位指名する選択肢もあり!

高卒投手を1位指名する選択肢もあり!

 最も緊急を要する補強ポイントは、FA移籍が現実的な炭谷 銀仁朗が守るキャッチャー。このポジションが難しいのは、バッティングの進歩が著しい森の本来のポジションがキャッチャーであるという点だ。キャッチングに難があるため指名代打に収まっているが、二塁送球で1.8秒台を軽々と計測する強肩、1学年上の藤浪 晋太郎(阪神)をリードして2012年の甲子園大会を制した捕手としての頭脳など、球界を代表するキャッチャーに育つ可能性を秘めている。しかし、来年にスタメンマスクをかぶらせるにはキャッチングが不安。さあどうしよう、というのが現在の一軍首脳陣の悩みである。

「十年の計」で考えてほしい。打てて守れるキャッチャーは全球団の夢と言っても過言ではない。私がすぐに思い返せるのは――土井 垣武(阪神など)、野村 克也(南海など)、木俣 達彦(中日)、田淵 幸一(阪神など)、古田 敦也(ヤクルト)、城島 健司(ダイエーなど)、阿部 慎之助(巨人2009年インタビュー)たちで、中尾 孝義(中日など)、伊東 勤(西武)、谷繁 元信(中日など)、矢野 輝弘(阪神など)を入れても11人しかいない。それほど野球史の中で少ない「打てて守れる」素質を秘めている選手を、簡単に指名代打に押し込めてほしくない。

 捕手以外では三遊間に人材がほしい。三塁は中村、山川と新旧のドカベンタイプが並び、ディフェンス面に不安がある。ショートは単純に打てる選手がほしい。田邊 徳雄監督自身、ディフェンス面を評価されて黄金時代のショートを任された選手だったので、「打てるショート」に執着はないと思うが、1996~2012年までの17年間、松井 稼頭央2015年インタビューから中島 裕之2013年インタビューに受け継がれた「打てて守れるショート」の系譜は絶やさないでほしい。

高橋 純平(県立岐阜商)

 三塁は茂木 栄五郎(早稲田大)、藤岡 裕大(亜細亜大)、遊撃手は柴田 竜拓(國學院大)と吉持 亮汰(大阪商業大)の2人が有力候補。ともに俊足、強肩を武器にしたディフェンスに定評があり、打撃も強い打球を両方向に飛ばす力がある。

 野手を中心に書いてきたが、投手はどうだろう。岸 孝之2013年インタビュー)、牧田 和久(2014年インタビュー【前編】 【後編】菊池 雄星2014年インタビュー、十亀 剣、野上 亮磨、郭 俊麟、髙橋 光成2014年インタビューの先発陣、高橋 朋己、増田 達至、武隈 祥太、岡本 洋介のリリーフ陣は、今季のチーム防御率3.69(リーグ4位タイ)という数字ほど悪くない。つまり、即戦力候補の大学生、社会人を緊急に補給しなければという非常事態ではないので、昨年の髙橋 光成のように高校生投手を1位で指名してもいい。その場合、入札の候補になるのは高校ナンバーワン投手の高橋 純平県立岐阜商・2015年インタビュー【前編】 【後編】)である。

 高校生投手は松坂 大輔を指名した1998年以降、2位以下の選手が思うような成績を残せていない。もし1位で高橋を獲れたなら、2位以下は大学、社会人という従来型の指名でなると思う。野手主体か投手主体か、今年の西武のドラフト戦略は先行き不透明で、その分考えることが多く面白い。

(文・小関 順二

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柴田 竜拓(岡山理大附) 【選手名鑑】
炭谷 銀仁朗(平安) 【選手名鑑】
高橋 純平(県立岐阜商) 【選手名鑑】
武隈 祥太(旭川工) 【選手名鑑】
藤岡 裕大(岡山理大附) 【選手名鑑】
茂木 栄五郎(桐蔭学園) 【選手名鑑】
森 友哉(大阪桐蔭) 【選手名鑑】

プロフィール

小関 順二
小関 順二
  • 出身地:神奈川県横須賀市生まれ。
  • ■ プロ野球のドラフト(新人補強)戦略の重要性に初めて着目し、野球メディアに「ドラフト」というカテゴリーを確立した。ストップウオッチを使った打者走者の各塁走塁、捕手の二塁スローイングなど各種タイムを紹介したのも初めてで、現在は当たり前のように各種メディアで「1.8秒台の強肩捕手」、「一塁到達3.9秒台の俊足」という表現が使われている。
  • ■ 主な著書に『プロ野球問題だらけの12球団』(年度版・草思社)、『プロ野球スカウティング・レポート』(年度版・廣済堂あかつき)、『ドラフト物語』(廣済堂あかつき)、『野球力』(講談社+α新書)、『プロ野球サムライたち』(文春新書)などがある。
  • ベースボールファン(有料コラム)では、「野球を歩く」を寄稿、野球ファン必見の野球歴史コラムを配信している。 
  • 小関順二公式ブログ

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