- トップ
- コラム
- 小関順二のプロ野球ドラフト分析2014
- 【小関順二のドラフト指名予想】埼玉西武ライオンズ編
第8回 【小関順二のドラフト指名予想】埼玉西武ライオンズ編2014年10月17日
【目次】
[1] 投手、野手ともに補強が必要だ
[2] ドラフト1位候補に挙がった高橋光成
ドラフト1位候補に挙がった高橋光成

髙橋 光成(前橋育英)
この10年間で3度目のBクラス転落ということもあり、フロントは即戦力投手にしか目が向いていないようだが、有力候補の中で今年最も調子がいいのは高校生の髙橋 光成(前橋育英)(インタビュー:2014年8月29日公開・8月30日公開)だ。
18Uワールドカップ出場後に調子を落とした昨年にくらべ、今年は甲子園こそ無縁だったが18Uアジア選手権に選出され、2試合(9回3分の2)に投げ、5安打、自責点0と安定していた。この大会で計測したストレートの最速は148キロ(自己最速は149キロ)。阪神が最近、有力指名候補として名前を挙げたのは当然である。
左腕にこだわるなら塹江 敦哉(高松北)、石田 健大(法大)、島袋 洋奨(中大)(インタビュー)、横山 雄哉(新日鉄住金鹿島)、加藤 貴之(新日鉄住金かずさマジック)、福地 元春(三菱日立パワーシステムズ横浜)、竹下 真吾(ヤマハ)という名前が挙がる。
この中では社会人の横山、福地、竹下がストレートの速さと変化球のキレを備え、即戦力の魅力がある。横山と福地はチームメートの投手にドラフト上位候補がいるので、会社の承諾がポイントになる。
野手は最初に紹介した中村以外でも、センターラインを守れる内野手をもう少し取り上げたい。
社会人ではこのところ注目を集めている横浜高、創価大OBの倉本 寿彦(日本新薬・遊撃手)に即戦力の期待がかかる。走守は今すぐ一軍の試合に出しても通用するレベルにあり、課題だった打撃にも力強さが増し、3位前後の指名が考えられている。
高校生は遊撃手に好選手が多い。野平 大樹(樹徳)、高濱 祐仁(横浜)、宗 佑磨(横浜隼人)、桒原 樹(常葉菊川)(インタビュー)、古澤 勝吾(九州国際大付)などで、さらに中村 剛也、浅村 栄斗、森 友哉(インタビュー)など大阪桐蔭の直系、香月 一也(三塁手)(インタビュー)も好センスの持ち主で、私がスカウトなら3位くらいの指名で獲得する。
まとめると今年の西武は
1位は高橋光成(前橋育英)のような高校生右腕あるいは 中村奨吾(早大)のような強打型野手
左腕にこだわるならば、塹江のような高卒左腕、または横山、福地、竹下ような社会人左腕
2位以降は 倉本寿彦(日本新薬)や野平、桒原、香月などの高卒内野手もおススメ
(文・小関 順二)

- 小関 順二
- 出身地:神奈川県横須賀市生まれ。
- ■ プロ野球のドラフト(新人補強)戦略の重要性に初めて着目し、野球メディアに「ドラフト」というカテゴリーを確立した。ストップウオッチを使った打者走者の各塁走塁、捕手の二塁スローイングなど各種タイムを紹介したのも初めてで、現在は当たり前のように各種メディアで「1.8秒台の強肩捕手」、「一塁到達3.9秒台の俊足」という表現が使われている。
- ■ 主な著書に『プロ野球問題だらけの12球団』(年度版・草思社)、『プロ野球スカウティング・レポート』(年度版・廣済堂あかつき)、『ドラフト物語』(廣済堂あかつき)、『野球力』(講談社+α新書)、『プロ野球サムライたち』(文春新書)などがある。
- ベースボールファン(有料コラム)では、「野球を歩く」を寄稿、野球ファン必見の野球歴史コラムを配信している。
- ■ 小関順二公式ブログ
