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第4回 【小関順二のドラフト指名予想】阪神タイガース編2014年10月10日
【目次】
[1] 高齢化解消のためにドラフト1位は高校生か
[2] 投手、捕手、内野手、外野手万遍なく補強したドラフトを
投手、捕手、内野手、外野手万遍なく補強したドラフトを

機動破壊に揉まれた脇本直人(健大高崎)
攻撃的なプレースタイルが今後も期待される
これらの中から阪神の指名選手を占ってみよう。まず、投手主体で行くのか野手主体で行くのか――。
13年はチーム打率.255がリーグ3位だったのに対し、防御率3.07が圧倒的1位だった。そのため2位横田、3位陽川 尚将、4位梅野 隆太郎(インタビュー)と野手に重きを置いた指名になったが、今年は一転して投手成績が防御率3.88でリーグ5位に転落、「補強ポイントは投手」という流れになった。
即戦力候補は前出の有原を筆頭に、東京六大学リーグ、東都大学リーグの山崎 福也(明大)(インタビュー【前編】・【後編】)、石田 健大(法大)、山﨑 康晃(亜大)が候補になるが、山崎康以外は全員本調子に遠く、リスク覚悟の入札になるだろう。
社会人の投手は順調にきている選手が多い。
名前を挙げると、石崎 剛、横山 雄哉(ともに新日鉄住金鹿島)、福地 元春、野村 亮介(ともに三菱日立パワーシステムズ横浜)たちだが、近年の阪神は大物の入札から逃げないという特徴があるので、知名度のない社会人より、全国的なネームバリューのある有原や高校生でも安楽のほうに向かう可能性が高い。
2位は高校生の野手が多く指名される傾向にある。それに合った人材となると、栗原 陵矢(春江工・捕手)、桒原 樹(常葉菊川・遊撃手)、岡本 和真(智辯学園・一塁手)、浅間 大基(横浜・外野手)(インタビュー)、脇本 直人(健大高崎・外野手)(インタビュー)たちの名前が挙がる。現実的に考えると、岡本、浅間は1位で消える可能性があるので、それ以外の3人のほうが現実的である。
捕手は若手の梅野がレギュラーポジションに近いが、リード、打撃とも安定感がないので競争相手が必要な状況。5歳違いの栗原はぜひともほしい選手だ。
内・外野も若手の人材は乏しい。25歳以下の有望選手と言えば、横田(19歳)、北條(20歳)、西田 直斗(21歳)、陽川(23歳)、緒方 凌介(24歳)、伊藤 隼太(25歳)くらいしか見当たらず、彼らにしても安定感に乏しい。彼らに危機意識を持たす意味でも桒原や脇本のような攻撃的精神とプレースタイルを持った高卒野手は獲得したい。
まとめると今年の阪神は
補強ポイントの優先順位は投手が一番高い
・1位は 安樂智大(済美)と有原航平(早稲田大)の大物か
・2位以降は高校生野手か
投手以外でも捕手、内野手、外野手と万遍なく補強が必要
特に脇本、桒原のような攻撃的精神とプレースタイルを持った高卒野手は現在の阪神には必要な人材だ
以上のようなドラフトを展開していきたい。
(文・小関 順二)

- 小関 順二
- 出身地:神奈川県横須賀市生まれ。
- ■ プロ野球のドラフト(新人補強)戦略の重要性に初めて着目し、野球メディアに「ドラフト」というカテゴリーを確立した。ストップウオッチを使った打者走者の各塁走塁、捕手の二塁スローイングなど各種タイムを紹介したのも初めてで、現在は当たり前のように各種メディアで「1.8秒台の強肩捕手」、「一塁到達3.9秒台の俊足」という表現が使われている。
- ■ 主な著書に『プロ野球問題だらけの12球団』(年度版・草思社)、『プロ野球スカウティング・レポート』(年度版・廣済堂あかつき)、『ドラフト物語』(廣済堂あかつき)、『野球力』(講談社+α新書)、『プロ野球サムライたち』(文春新書)などがある。
- ベースボールファン(有料コラム)では、「野球を歩く」を寄稿、野球ファン必見の野球歴史コラムを配信している。
- ■ 小関順二公式ブログ
