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第29回 グラビン、マダックス、トーマスがアメリカ野球殿堂入り!2014年01月14日

【目次】
[1]5位 FAの建山義紀がヤンキースとマイナー契約  / 4位 新垣、大瀬良らを育てた九州共立大の仲里監督が勇退
[2]3位 北海道日本ハムの二岡智宏が現役引退を決める/ 2位 埼玉西武、阪神が人的補償選手を発表!気になる移籍選手は?
[3]1位 グラビン、マダックス、トーマスがアメリカ野球殿堂入り!

3位 北海道日本ハムの二岡智宏が現役引退を決める

 1月9日(木)、現役を表明した北海道日本ハムファイターズの二岡 智宏選手が記者会見を行った。

 美しい軌道を描く本塁打を打つ男だった。この男を語る時に必ず語られるのが2000年の巨人のセリーグ優勝を決定づけるサヨナラホームラン。これに代表されるように通算7本のサヨナラホームランを打つ勝負強さを持った男だ。もう一つの二岡の武器は右方向へ本塁打が打てる技術の高さ。優勝を決めたサヨナラホームランも右方向だったように、二岡は右方向への本塁打が多かった。

 二岡は1年目の1999年に18本塁打を放つと、2年目は10本塁打、3年目は5本塁打と1年目より下回ったが、4年目の2002年には24本塁打を放ち、さらに日本シリーズMVPに選ばれる活躍を見せた。

 2003年には29本塁打、2004年は怪我があり9本塁打にとどまったが、2005年は2003年以来の打率.301を記録し、2006年には25本塁打を記録。2003年から2006年まで4年連続優勝を逃す苦しい時期だった巨人。二岡は主力選手としてチームを引っ張った。そして2007年。自己最多の83打点を記録し、2002年以来のセリーグ優勝に貢献。花形であるショートを守り、20本塁打4回、打率3割2回。巨人の歴史に残る大型ショートと印象付けた。

 だが2008年。自身の故障と坂本 勇人の台頭もあり、31試合出場に終わり、この年のオフに北海道日本ハムに移籍。北海道日本ハムでは足の故障もあり、遊撃手として出場することができなかった二岡は指名打者を中心に活躍。巨人時代に比べると長打力は落ちたが、勝負所で魅せる一打は健在だった。

 その二岡も2013年は36試合に出場し、安打はわずか3本に終わった。そして北海道日本ハムに戦力外通告を受け、他球団のオファーを待ったが、オファーはなく、引退を決断した。絶頂期にあった巨人時代に比べると北海道日本ハムの5年間は成績面では寂しいかもしれないが、代打を中心に勝利に貢献する打撃で北海道日本ハムの2回の優勝に貢献した。今度は指導者として多くの選手を活躍させてほしい。 

二岡 智宏氏の球歴
広陵-近畿大-読売ジャイアンツ(1999年-2008年)-北海道日本ハムファイターズ(2009年-2013年)

2位  埼玉西武、阪神が人的補償選手を発表!気になる移籍選手は?  

西武と阪神が人的補償選手を発表!

 1月6日(月)、阪神は久保 康友投手の移籍に伴い、人的補償選手として横浜DeNAから鶴岡 一成捕手の獲得を決めた。埼玉西武はFAで移籍した涌井 秀章投手、片岡 治大内野手の人的補償として、千葉ロッテから中郷 大樹投手、巨人から脇谷 亮太内野手を獲得したことを発表した。

 この1週間、移籍人事が大きく動いた。まず1月6日、阪神はFAの人的補償選手として鶴岡 一成捕手の指名。鶴岡といえば、2013年に108試合に出場した正捕手。正捕手のプロテクト外は衝撃だった。

 横浜DeNAは鶴岡よりも高卒3年目の髙城 俊人、高卒9年目の黒羽根 利規の若手捕手を優先して起用したいという考えがあったのだろう。阪神としては投手を狙いたかったが、思わぬ正捕手のプロテクト漏れ。飛び込まないはずがない。とはいえ、阪神は相手チームの正捕手を獲得したことで、捕手人数は合計10人に。人員過剰である。通常は6人くらいがちょうど良いと言われている。レギュラー捕手1名、バックアップのための控えの捕手2人をスタンバイしていることを仮定すると、一軍は3名。二軍も同じ体制ならば、計6名となる。だから10人になると出場できない選手が多くなる。阪神の捕手人数を振り返ると、捕手補強の優先順位は高くないのだ。そんな中、入団をすることとなった鶴岡が出来ることは自分の持ち味を引き出すこと。

 鶴岡は2008年から2011年まで巨人に在籍していた時は2008年最多勝投手のセス・グライシンガーと専属バッテリーを組み、勝ち星に貢献するなど制球力の良い外国人投手の持ち味を引き出すのが上手い。2009年には2打席連続本塁打、2012年には満塁本塁打、2013年には打率.250、3本塁打と意外性のある打撃もある。正捕手争いを勝ち抜き、阪神投手陣の信頼をつかむことができるか注目である。

 埼玉西武は千葉ロッテに移籍した涌井 秀章の人的補償として中郷 大樹を指名。中郷はJR四国から2006年の大学・社会人ドラフトの6巡目指名を受け、千葉ロッテに入団し、1年目から一軍登板。2012年の5年目から登板数が増え、44試合に登板し、防御率2.51。2013年には37試合に登板し、防御率3.31と安定した成績を残す中継ぎだった。大量点差が付いた敗戦処理などどんな場面でも問わずに黙々と仕事をこなす職人肌の中継ぎ右腕である。千葉ロッテにとって頼もしい右腕の1人だったのだが、彼をプロテクト外にしたとしても、守りたい選手がいたのだろう。中継ぎ補強がポイントだった埼玉西武にとっては大きな補強だった。

 そして巨人に移籍した片岡 治大の人的補償として脇谷 亮太を指名。脇谷は2010年に132試合に出場し、打率.278を記録したが、2011年は怪我で試合出場が激減し、2012年は育成選手としてプレー。2013年は49試合出場にとどまった。片岡の加入、そして同じセカンドには藤村 大介、寺内 崇幸と多くのライバルが揃い、脇谷はプロテクトから漏れた。そこに目を付けたのが2010年に巨人のコーチだった埼玉西武の伊原 春樹新監督だった。

 伊原監督は脇谷のバットコントロール、二塁手としての守備力、2008年に28盗塁を記録した走塁能力を高く評価し、埼玉西武ならばレギュラーで活躍できる選手と見込んで獲得を決めた。埼玉西武の内野手では浅村 栄斗、中村 剛也以外で不動のレギュラーはいない。守備力を高く評価されている遊撃手の永江 恭平は99試合に出場したが、打率.141とレギュラーを約束されている選手ではない。内野手層の薄さを考えると、脇谷の補強は大きかった。埼玉西武はFAで主力選手が抜けた穴を人的補償でうまく埋めることができたのではないだろうか。埼玉西武の戦略を高く評価したい。

鶴岡 一成選手の球歴
神港学園-横浜ベイスターズ(1996年-2008年)-読売ジャイアンツ(2008年-2011年)-横浜DeNAベイスターズ(2012年-2013年)-阪神タイガース(2014年)

中郷 大樹選手の球歴
那賀-JR四国-千葉ロッテマリーンズ(2007年-2013年)-埼玉西武ライオンズ(2014年)

脇谷 亮太選手の球歴
柳ヶ浦- 日本文理大学-NTT西日本-読売ジャイアンツ(2006年-2013年)-埼玉西武ライオンズ

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