第12回 【イラン野球の素顔】「真の発展を果たすには」(後編)2015年07月14日
【目次】
[1]イラン野球が発展するための課題
[2]パキスタン監督就任と色川氏の今後
パキスタン監督就任と色川氏の今後

西アジアカップ
パキスタンとの関わりはほとんどなかったという色川 冬馬氏。西アジア大会で見ただけの関係の国からなぜ監督のオファーが来たのか。
「パキスタンの野球協会の会長に口説かれました。パキスタンでは、今まで日本人や韓国人の監督を採用してきました。その中で、『今は野球先進国の人ではなく、お前が必要なんだ』と言っていただきました。そう言ってくれると嬉しいじゃないですか。野球人として心が動かされました」
野球先進国の日本人としてではなく、一人の野球人として、パキスタンを始め、多くの国を渡り歩き野球に関わってきた功績が認められた瞬間であった。目下の目標はアジア第4の強豪と注目されている中国を抜くことだ。色川氏の監督就任でさらなる発展が見込めるか。
そして世間では現役を退き、指導者としての道を歩み始めていると認識されている色川氏。しかし、そこには大きな誤解があった。
「世間ではそう言われていますが、僕は現役を退いたつもりはありません。今は、指導者としての機会がたくさんあるので指導者をやっていますが、指導者としての機会がなくなった時、選手をまたやりたいですね。戻るならメキシコに戻りたいです。すごく情熱的な野球をするメキシコが気に入っているからです」
野球に関わる人には様々な人がいる。ビジネスとして、趣味として、選手として。色川氏からは、そのような枠を超えた、「純粋に野球が好き」という気持ちが強く感じられた。
「野球には無限の可能性がある」、「球史創造」。自身の野球観が色川氏を突き動かしている。色川氏の野球への情熱はこの先も消えることはない。
(文・河嶋 宗一)

- 編集長 河嶋 宗一
- 出身地:千葉県
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- ■ 編集長であり、ドットコムのスカウト部長と呼ばれ、日本全国の隠れた名選手を探索。
- ■ 幅広いアンテナと鋭い観察力でダイヤの原石を見つけだす。
- ■ 編集部の理論派として、今日も球場に足を運ぶ。
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