第3回 韓国プロ野球の今 【韓国野球が熱い理由】2013年09月13日
【目次】
[1]特別な存在である李承燁と後を追う大砲
[2]日本キラー・奉重根とイチロー
[3]技巧派として帰ってきた裵英洙
日本キラー・奉重根とイチロー

昨年から抑えに転向した奉重根選手(LGツインズ)
一塁手以外での強打者として、年々評価が高まっているのが、SKの三塁手・崔廷(チェ・ジョン)である。おとなしそうな顔をしているせいか、180センチ、84キロという数字ほどの大きさを感じないが、パワーは韓国球界屈指。現在94試合に出場し、本塁打24は朴炳鎬と並び1位。長打率、出塁率とも1位で、打率は3位、盗塁は20決めて12位と、スピードとパワーを兼ね備えている。
また守備は、2007年から09年の間SKの守備走塁コーチを務めた福原峰夫に基礎から叩き込まれた。高校時代は投手をしており、肩も強く、守備も見どころの一つだ。

呉昇桓選手(三星ライオンズ)
韓国の三遊間は、概して肩がいい。内野の深い位置から一塁に送球する時、日本では通常ワンバウンドでもOKだが、韓国ではノーバウンドでの送球を求める。したがって、中学生の頃から、チーム内で肩が強い選手が遊撃手などを守ることが多い。高校野球では、遊撃手がリリーフに立つケースをよく見る。
今季4年目、今売り出し中の遊撃手であるLGの呉智煥(オ・ジファン)も、高校時代は投手としても知られていた。韓国を代表する遊撃手であるKIAの金善彬(キム・ソンビン)は、身長165センチ、体重70キロと小柄ながらも、肩は強い。
内野手が肩なら、外野手はスピードだ。KIAの李容圭(イ・ヨンギュ)、斗山の李鍾旭(イ・ジョンウク)ら、国際試合でも活躍した俊足の選手は、いずれも中堅手だ。
スピードといえば、やはりイチローである。WBCでは、相手を刺激する発言でヒール役になっていたイチローであるが、韓国球界には信奉者が多い。ネクセンの張岐英(チャン・ギヨン)もその一人。左打ちの1番打者で、打撃スタイルは明らかにイチローを意識している。背番号は、イチローのオリックス、マリナーズ時代の番号である51だ。
第2回WBCでは韓国代表のエースとして日本を苦しめたLGの奉重根(ポン・ジュングン)も、高校時代からイチローのファンであった。奉は高校時代、韓国を代表する左の強打者でもあった。現在の背番号は51である。
2年前に肘を痛め、シーズンをほとんど棒に振り、昨年から抑えに転向している。現在31セーブで、32セーブのネクセン・孫勝洛(ソン・スンナク)に次いで2位。防御率は1.33と、抜群の安定感を示している。
もっとも韓国の抑えといえば、サムスンの呉昇桓(オ・スンファン)だ。2005年に入団以来、肘の故障などで不振の年はあったものの、現在通算272セーブを挙げ、サムスン黄金時代の立役者となった。
ちぎっては投げといった感じの豪快なフォームで、強靭な手首から投じられる155キロの速球は重く、威力十分だ。今季終了後は、国内移籍が可能なFA資格を取得するが、球団と合意の上で、海外に移籍する可能性もある。既に阪神の動きは報じられているが、メジャーのスカウトも注目しており、その動向は、韓国内外で注目されている。
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