第3回 韓国プロ野球の今 【韓国野球が熱い理由】2013年09月13日
【目次】
[1]特別な存在である李承燁と後を追う大砲
[2]日本キラー・奉重根とイチロー
[3]技巧派として帰ってきた裵英洙
今、最も熱い「韓国野球」を3回シリーズ連載でお届け。韓国野球に精通したスポーツライターの大島裕史氏が、韓国野球の事情を一挙紹介!
第1回 盛り上がる韓国のプロ野球 【韓国野球が熱い理由】
第2回 韓国の高校野球事情 【韓国野球が熱い理由】
特別な存在である李承燁と後を追う大砲

2003年、MVPを受賞した時の李承燁選手(三星ライオンズ)
猛暑が少し和らいでくると、韓国プロ野球も終盤に向けて熱気を帯びてくる。今年はポストシーズン(準プレーオフ、プレーオフ、韓国シリーズ)の出場がかかる上位4チーム、前年優勝のサムスンに加え、人口の多い首都ソウルの3チーム(LG、斗山、ネクセン)が入り、それを、野球が盛んな韓国第2の都市・釜山を本拠地とするロッテが追う展開。韓国シリーズ優勝を目指し、これからますます白熱してくる。
順位争いもさることながら、スター選手あってのプロ野球である。今の韓国野球は、典型的長距離打者である「4番ファースト」タイプの全盛時代だ。

朴炳鎬選手(ネクセン・ヒーローズ)
3月に行われたWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)では、オリックスの李大浩(イ・デホ)、日本のプロ野球でもプレーしたサムスンの李承燁(イ・スンヨプ)、ハンファの金泰均(キム・テギュン)が選ばれたため、前年の本塁打王、打点王で、MVPまで受賞したネクセンの朴炳鎬(パク・ビョンホ)が選ばれなかったほどだった。
3人の存在が大き過ぎたことに加え、昨年彗星のごとく現れ、まだ経験不足と思われたことが、朴の落選の要因であった。しかし朴は、今シーズンも好調。現在本塁打、打点は1位、打率は4位と、今や韓国球界を代表する強打者に成長した。身長185センチ、体重97キロと、李大浩、金泰均同様の巨漢で、近年は打撃もかなり柔らかくなった。
もっとも現在99試合に出場し、12位である12本の本塁打しか打っていないものの、韓国の「4番ファースト」といえば、やはり李承燁である。
6月20日のSK戦では、韓国記録となる352本目の本塁打を放った。日本での159本を合わせると500本を超える、他を寄せ付けない数字だ。2003年に達成したアジア記録となるシーズン56本の本塁打、WBC、北京五輪での活躍など、記録にも、記憶にも残る選手だ。
韓国に戻った昨年は本塁打21本止まりであったが、韓国シリーズではMVPを受賞するなど、勝負強さは健在だ。
一方、李承燁と同じく昨年から韓国に戻った金泰均は、この年打率.363で首位打者になったものの、最下位のチームにあり、今年は四球攻めにあい苦しんでいる。
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